5分でわかる「植物図鑑」のあらすじ！ネタバレ含む【レビュー】

築30年2DK、駅から徒歩15分のアパートに住んでいる23歳の河野さやか。
不動産屋に務めており、上司から怒鳴られ、スーパーのお弁当を食べる日々。

そんなある日、さやかは夢を見ました。
いつも通りアパートに帰ってくると、自転車置き場で一人の男性が倒れているのが目に入った。
その男性は、お腹が空いて動けないので飼ってくれませんか？と犬のお手のポーズをしながらさやかに提案します。

非日常な出会いに笑ってしまったさやかは、その男性を家に招き入れました。
3分待つのは長いと固いカップ麺を笑顔で食べる姿に、気を許してしまい帰り支度を始める男性に、ついお風呂入っていく？と問いかけます。

なんて変な夢を見たなぁ…と目覚めると、夢で見た男性が朝食を作っています。
男性との出会いは夢ではなく、現実でした。

久しぶりの温かいご飯に涙を流してしまうさやか。
再び帰ろうとする樹に、さやかは明日も明後日も明明後日も温かいご飯を作って欲しいとお願いする。

それから、2人の同居生活が始まりました。

その男性は、樹と名乗った。
苗字は言いたくないらしい。

泊めてくれたお礼に庭に生えている草を抜く樹とそれに付き合うさやか。

塀に生えてる雑草が臭くて邪魔なんだよね、というさやかの言葉に雑草にも名前があるんだよ、と教えてくれた樹。

樹は半年間家に泊めて欲しいとさやかにお願いしました。

樹はさやかの家に置いてもらうお礼に、毎日のご飯作りと駅前のコンビニで深夜のアルバイトを始めるのでした。

樹が家に来てから1ヶ月が経ちました。

樹のバイト代で購入してくれた自転車で河原に向かい、生えてるフキやつくしなどを持ち帰りました。

自宅に戻った二人は持ち帰った山菜を使い、煮物・天ぷら・味噌などたくさんの種類の料理を作って食べました。

その夜、ふと目が覚めたさやかは樹は彼氏じゃなくて同居人なんだよな、と少し寂しそうに呟いた。

それから二人は何回も河原へ山菜を採りに行くのでした。

カメラが趣味だという樹が花の写真を撮る横で、さやかは今まで雑草だと思っていた草や花の名前をたくさん教えてもらいます。

樹が作ってくれたお弁当に元気を貰ったさやかは、仕事も以前よりハキハキと行動することが出来ようになります。
そんな毎日を過ごしていくうちに、さやかは樹に恋心を抱くようになりました。

ある日、いつものように山菜を採りにいった際、さやかは誤って川に足を突っ込んでしまうのでした。
その時、樹が差し出したバイト仲間から貰ったらしいブランド物のハンカチにさやかは嫉妬心を抱いてしまう。

その日の深夜、さやかは樹が働いているコンビニに足を運んだ。

そのコンビニで働いている若い女性から頂いたハンカチだということ、さやかには教えてくれなかった樹の苗字をその女性は知っていました。

さやかは、改めて自分はこんなにも一緒に過ごしているのに、結局は同居人なんだと実感して、帰り道を心配してくれた樹に強く当たってしまう。

昨夜のことで気まずいさやかは、樹が家に来てからずっと断っていた飲み会に参加しました。

さやかに好意を抱いている会社の上司が、家まで送ると最寄り駅までついてきた事で樹と言い合いになってしまい、お酒の勢いに任せて樹のことが好きだと打ち明けてしまいます。

酔っ払いの発言だから忘れて欲しいと言うさやかに対し、樹は「引き金を引いておいてそれはないだろ」とさやかを抱き寄せキスをします。

その日2人は同じ部屋で一夜を過ごし、同居人から恋人へと変わりました。

樹がさやかの家に来てから半年が経とうとした。

さやかの誕生日である日の夜、樹はさやかに初めて作るケーキと「植物図鑑」という本をプレゼントしました。

翌日、さやかがいつも通り仕事を終えて家に戻ると、一通の手紙とレシピを残して樹は居なくなっていました。

手紙には「ありがとう」との文字とさやかが笑顔で写っている写真。
レシピ本には、今まで作ってくれた山菜のレシピが書かれていた。

さやかは樹のバイト先であったコンビニに向かうも、一昨日で辞めてしまったと告げられます。
どうしても手掛かりが欲しいさやかは、ブランド物のハンカチを樹にプレゼントした女性の事も聞きましたが、先月辞めたと告げられてしまうのでした。

樹が居なくなってから一年が経った。

樹が居なくなってからしばらくの間はスーパーのお弁当を食べるだけの毎日でしたが、庭に咲いた思い出の花を見て、立ち直ろうと一人で山菜を採りに行ったり、思い出の料理を作ったりするのでした。

そんなある日、突然、樹から荷物が届きました。
荷物の中身は、樹が撮った写真がまとめられている植物図鑑でした。

植物図鑑をインターネットで調べたところ、出版記念として今からパーティーが開催されることを知り、急いで会場に向かう。

パーティー会場に到着したさやかだったが、スーツ姿でスピーチをする樹はまるで他人のような姿に、胸が苦しくなったさやかはすぐにパーティ会場を出てアパートへ戻るのでした。

玄関を開けようとした瞬間、自転車置き場にスーツ姿の樹が座り込んでいる姿が目に飛び込んできた。

樹は、1年前自転車置き場に座り込んでいた理由を話してくれます。

父親の家業を継ぐまでに半年の猶予をくれたこと。
さやかと一緒に過ごしていく内に心惹かれたこと。
さやかのおかげで、ただの雑草好きになることを決心できたこと。

思い出の河原で、樹はさやかにずっと一緒に生きていたいとプロポーズをしました。

結婚した樹とさやかは幸せな日々を歩んでいくのでした。